...東京競馬場 第4レースは 以上の16頭で行われます。
鈍い金属音とともにゲートが開く。
スカイファントムのゲートの出は悪くない。
調教では気が悪い所を見せていたが、今はとりあえず走ることに集中しているらしい。
16頭立ての14番枠。このまま先行集団に取り付いていけば、
結構いいレースができるのではないか、と和久井は考えていた。
その瞬間。
ガクンという衝撃が体を通して伝わってきた。
あまりにも突然で、思わず馬上で立ち上がってしまったほどである。
(まさか故障した...?!)
その想いは杞憂であった。
スカイファントムは芝からダートに変化した馬場に戸惑ったのである。
...3コーナーに差しかかって先頭はシグナルセレクト。
1馬身離れて1番人気のウエルカムハピネス。
その外イズミテイトオー。内々サガトラクインシー...
スカイファントムは現在後方から4番手。
ダートに入ってからの走りは無様というしかなかった。
飛んでくる砂に怯み、時に砂に脚を取られ、
ズルズルと位置取りを下げた。
最後方まで下がらなかったのは、単に後ろの馬がカベになってくれたからである。
...さあ4コーナーを回って最後の直線。
このあたりでウエルカムハピネス早くも先頭。
1馬身、2馬身と突き放します...
4角13番手。
和久井のハラはもうとうに決まっていた。
スカイファントムは明らかにダートを嫌がっている。
度重なるストレスで、スカイファントムは暴発寸前であり、
和久井はそれを必死に抑えつけてきたのである。
あとはすりきれる寸前で、それを解放してやることだけが、
和久井にできるすべてであり、使命であった。
もちろん、解放したら何が飛び出るのか、そんな不安はあるのだが...
